第6話 現場保存

「ーー現場を保存する」


現場の刑事たちと、複数の鑑識課の人たちが至るところに散らばって、凶器など証拠品となるようなものを探している。


この男が殺されなければならなかった理由。

そして、彼の死に関わった犯人を探すのが一番の供養だろう。

どーにかして、その真相を探し出さなければーー。


このご時世の中、この警部は刑事という仕事に誇りをもち、事件一つにすべてをかける程の情熱を持っている。

そんな刑事だ。


すべての犯罪を憎み、すべての被害者の魂を救えると思っていそうだ。


だが、それはあり得ない。


彼は青い、、。

人間として、刑事として青すぎる。


ーー警部、ありました。


部下の刑事が大声をあげる。

そしてすぐに鑑識課が向かう。これは犯人のモノなのか、被害者のモノなのか。


見つかったモノは血のついた包丁だ。

ずいぶん使い込んでるようで、少し錆びているところもある。

被害者か、加害者が咄嗟に持ち出したモノだろう。


現場は保存され、今もなお、証拠品探しが続けられている。


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