第14話 寄生
地元に帰ってきたのは12月26日。私は、始発で帰った。帰った時には安心感とか懐かしい感じは確かに感じていたが、それよりも何でもない感情でいっぱいだった。私は帰ってからもうすでに4日はたっている。私はまだ、大阪にいる気がする。なぜだが本当の自分は大阪に置いてきてしまった気がするのだ。私はこの先どうしたいのだろうか。どう生きたいのだろう。それが分からない。生きるって辛いな。生きていくって長いな。私はある不安がずっと心の中にあった。それは、今も無くならないままで私と彼の中にずっとある。私には、ずっと生理が来ないのだ。彼とエッチをしてから私はずっと生理が来ていない。もう、とっくに予定日を過ぎているのに。私は、なんてことをしてしまったのだろう。本当に死んでしまいたい。私に生きる価値なんてあるのだろうか。どうすればいいのだろう。そこで私は、地元の友だちに相談してみた。友達は、たまたま妊娠検査薬を持っていて私にくれた。私はそれを手にした瞬間、一瞬にして不安になってしまった。もし、本当に彼の子を妊娠していたらどうしよう。結果は、早かった。あっという間だった。なんの痛みもなく結果はすぐに分かった。それが、私を絶望させた。私に痛みを欲しかった。何らかの違和感の痛みを私の中にいるこれ、から教えてほしかった。
私は、妊娠していた。
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