第12話 人生最後の後悔

てなるか。ぼけ。なんで私が、こんな思いしなけりゃならないのさ。確かに私は、彼にホテル代も全額払ってあげて、セックスも前戯なしでしてこようとする彼に生ですることも許してあげて。殺してやりたい。彼は、死ぬべき人間だと思う。こんなにも、死んだほうがいい人間が世の中にいるなんて。驚きモモノキ、さくらの木だわ。

 そう、私はホテル代を全額払った挙句、生ですることを許してしまい、前戯なしで入れられそうになって全然大切にされなくて。その時の私の心は、ボロボロだった。私が彼ごときに、彼のような人間になんでそこまでしてあげなきゃならねーんだよ。死ねよ、下手くそ。ひとりでやってろ、下手くそ野郎。何回、抜いてんだよボケが。愛のないセックス程むなしいものってないんだな。あいつ、死ねばいいのに。

 とにかく、その日私の心はボロボロだった。彼にあざが何個も出るまで噛まれて、噛まないでと言ったら、俺噛むの好きやねん。嫌がっている姿が好き。

 死ねばいいのに。

 私は深く傷ついた。体も心も。なんでこんなに傷つかないと分からないんだろう。なんでこんなにも馬鹿なんだろう。私は辛かった。死にたくなった。今すぐにでも、今も死にたい。死んでしまいたい。辛い。どうしよう。なんで、なんで私って馬鹿なんだ。たったの一度だった。たったの一度許してしまった、なんでわたしは許してしまったのだろう。死んでほしい。彼にもう死んでほしい。そしたら、私の心は軽くなるのに。

 私が許せないのは、私自身だ。なぜお金も全額払って、痛い思いもして、生でやらせて自分を痛めつけなければならないのだ。死んでしまいたい。もう、死にたい。辛い。私はなんて馬鹿なのだろう。なんでだろう。なぜ、終わった後にしか気づけないのだろう。もし妊娠でもしたら、それ以前に性病になったらどうしよう。死んでほしい。彼に死んでほしい。どうしても死んでほしい。辛い。私は、本当に馬鹿だな。後悔したって遅いのに、あの時理性では動けなかった。理性的に物事を考えられなかった。死にたい。もう、私の心はズタボロでどうしようもない。どうすればいいのか。こんなにもつらくて死にたいのに。どうすればいいのだろうか。朝、彼は携帯を見ていて。私にストーリーを見せてきた。私は彼と住む世界が違う。彼は、俗にいう陽キャ。毎日クラブに行って、朝帰りをして、馬鹿なことをして。そして私は何をしているんだろう。なんで私ってこんななんだろう。辛い、別に陽キャ悪いとか言ってはいない。陽キャだろうが、陽キャじゃなかろうがどっちでもいい。ただ、私もクラブに一緒に行ってくれる友達が欲しかったな。そうかな。そんなことは無いか。別にクラブに行くから何だってんだ。あー、ムカつく。私と生きている世界が違くて、その彼のストーリを見ていて私はどうしようもなくムカついた。悔しかった。何か分からないけれど悔しかった。それは、少しは彼が生きている世界に対する憧れもあったのかもしれない。今考えるとそこだと思う。そこが違うのだと思う。私は、今他人からとやかく言われて私は今、なにくそと思って頑張る力がない。無理だ。辛いもん、生きているだけで今精一杯。これ以上何もできない。辛い。死にたい。死んでもいい。私は、今死んでもいい。なんでこんなにも愚かで自分を大切にできないんだろう。素直になれない。私は本当に馬鹿で情けなくて高校生の時の方がしっかりしていた。高校の時の私の方が私らしかった。今の私は、デブで情けなくて、本当に馬鹿で。自分を馬鹿だと思っていたら、本当に馬鹿になってしまった。今、私の夢はどうしたのだろう。なんで、私は自分を見失ってるんだろう。これは、洞窟の中にいて光を探して歩いているとかなどではない。いつの間にか、浅瀬で顔を出して息継ぎが出来ていたのに、気づいたら海の底に沈んでいてなぜ息ができなかったことに気づかなかった。それは、月明かりがきれいすぎて、息をするのも忘れていたからだ。そんな感じ。ただひたすら、気づかずに沈んでいた。そして、それに気づいたときにはもう遅すぎて息も出来ずにただその月光の残り光を見ながら死ぬんだ。あー、死んでしまいたい。私は、もしかしたら今死んでも後悔しないかもしれない。

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