ダレ?(2)
今日は少し早く帰ることができた。
俺が部屋を開けようとすると鍵が開いていた。
ゾッと背筋が凍るような寒気を感じながら、恐る恐るドアを開ける。
良かったことに玄関には誰もいなかった。
俺「誰か居られますか?」
『いるはずないと思うけど』
「いますよ。海飛君」
ドアの向こうから声が聞こえた。
奥の部屋に誰かいる!!
『コンビニで会った女の人の声が聞こえてくる。え、どうしよう』
女「海飛君、部屋に入って来て。何もしないよ」
女が俺を呼んでいる。
俺は尋常ではないほどの汗をかきながら思いっきりドアを開けた。
人の姿は見当たらない。しかしテレビがついていた。
テレビにはコンビニであった女がいた。
俺「何してるんですか?」
女「そんなピリピリしないでよ。何も取っていないよ」
俺「そこはありがとうございます。なんで部屋に入ったんですか?」
女「普段の海飛君を知りたいからだよ」
俺「直接会いに来ていただければ、お話いつでもできますよ」
女「それじゃあ足りないの!それにM女さんと随分仲が良さそうだね」
俺「M女のこと知ってるんですか?」
女「もちろんよ。家で料理まで作ってもらって」
俺「あ〜盗撮されてたんですね」
女「な、人聞きが悪いですね。ただ私が愛する人の撮影をしていただけですよ。それにあなたの会社の新しい課長すごく美人じゃないですか!!」
俺「課長も知ってるんですか!」
女「もちろん知ってるわよ。あなたも罪な男よね〜」
俺「なんでですか?」
女「だって鈍感すぎるもの」
俺「いやいや、俺モテないですよ」
女「わかったわかった。本当の鈍感なのね」
なんか流された気がする。
女「もう寝るけど海飛君と話せて楽しかったわ。また明日ね」
俺「あ、はい」
「プツ」と音がしてテレビが消えた。
『この人、本当に身近にいるのかな?』
翌日
俺が会社に着くと机の上に何かが置いてある。
俺は不安を覚えながら近づくと昨日、課長に渡した書類だった。
どうやら目を通してくれたのだろう。それにしても課長は仕事が早い。
俺は不安から解放されホッと一安心して書類を手に取ると書類の中から何かが落ちた。
どうやら手紙のようだ。
表にも裏も見るが誰からなのかはわからないが封を開けて中から手紙を取り出した。
そこには
俺「海飛君へ。昨日のテレビ電話とても楽しかったですね」
『いやぁ、俺は怖かったよ。なんでテレビついていたんだよ』
途中はすごく長かったから略すと「めっちゃ好き、殺したいぐらい好き、ずっとそばに置いときたい」と言う内容が2枚ぐらい書かれていた。
俺「今度は直接お話ししましょう」
と言う言葉が最後に残してあった。
するとトンッと肩を誰かに叩かれた。
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