上司
昨日もあの女は居なかったが帰ったらご飯が作ってあった。
普通にしていれば良い人だと思うが家に勝手に帰っているという事実が怖すぎる。
親友A「聞いたか?」
俺「何が?」
親友A「米田さん仕事辞めたらしいぞ」
俺「なんで?」
親友A「それが分からないんだけど録音した音声を上層部に告発した人がいるんだよね」
『まさか、盗聴器の音声をあの女の人が?』
俺「まさか盗聴器を仕掛けた人が告発したのかな?」
親友A「あ!!」
親友B「お、どうしたA?」
親友A「おお、おはよう。いやさ米田さん辞めたじゃん」
親友B「え?そうなの!!」
親友A「そうなんだよ。それでさ誰かが録音した音声を上層部に告発した人がいるんだよ」
親友B「うんうんそれで?」
親友A「海飛の部屋に勝手に入ってご飯を作って帰った女が盗聴している音声を送りつけたんじゃない?」
親友B「じゃあ良い人なの?」
親友A「不法侵入をしなければいい人だと思うよ」
俺「不法侵入をせずに普通に会いに来てくれればいいのにな」
親友A「本当にそうだよね。被害届取り下げる?」
俺「取り下げておく」
Aの話からすると今回のことを告発してくれたのは多分あの女の人で間違いないだろう。
親友A「一回、面と向かって話してみたいよな」
俺「そうだな。あの部屋にいる時は怖すぎて話せなかったけど今なら少しは話せる気がするわ」
俺は仕事終わりに被害届を取り下げて家に向かった。
すると家の前にあの女がいた。
女「お帰り海飛君」
俺「あ、」
俺はビビりすぎてこんばんはが言えなかった。
女の人を家に招き入れた。
俺「こんにちは。あのこの盗聴器と盗撮機器ってあなたのですか?」
女「いいえ、それはわたしのではありません」
俺「本当ですか?あなたの言葉を信じていいんですか?」
女「私は噓をつきませんから信じていいですよ。それよりご飯作りますね」
俺「お願いします。それよりいつもどうやって入ってるんですか?」
女「いつもは部屋の鍵が開いてるので入って作っていたんですけど今日は開いて無かったですね」
俺「え!いつも開いているんですか?」
女「はい!」
俺「じゃあ私と初めて会った時は部屋が開いていたんですか?」
女「そうですよ」
『あ~これはやばい。今まではご飯を作る人と盗聴器・盗撮機器を仕掛ける人が同じだと思っていたが2人いる』
俺「どこの部署で働かれているんですか?」
女「私は経理ですね」
俺「私の名刺入れとか取りましたか?」
女「取ってませんよ」
2人いることは確定した。
1人目がいま目の前にいる女で主に家に帰るとご飯が作ってある。
2人目が盗聴器や盗撮機器を仕掛けた人で恐らくこの会話も聞いているであろう人物である。それにこの人が名刺入れを盗んだ人だろう。
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