名刺

盗聴機と盗撮機器が見つかり2日が経った。


昨日は特に何かあったわけではなく久しぶりに平和に1日過ごすことができた。


親友A「おう!海飛」


「おはよう」


親友A「最近、課長来ないよね?」

課長とは俺をすごく怒る上司の米田さんだ。


親友B「昨日も休んでたし、そろそろパワハラで訴えられそうって勘付いたんじゃない?」

親友Bはケラケラ笑いながら言う。


親友A「そう言えばお前から女についての情報貰ってここ最近調べたんだけど、この職場に条件が一致する人、1人も居なかったぞ」


親友B「ハッタリだったんじゃない?」


俺「俺としてはハッタリであってくれた方が嬉しいけどね」



俺は親友たちと話しながら昨日職場に忘れて帰った名刺入れを探した。


『無いぞ。どこにも無い』


俺は焦りながら探すが机の上にはもちろんなく、引き出しにカバンの中にも入っていない。


今日は幸い、他社を訪問することがないため無くても問題ないが予備の名刺を出す。


親友A「何してるの?」


俺「名刺入れ職場に忘れたと思ったんだけど無いんだよね」


親友B「盗られたん?」


俺「それはわからないけど」


引き出しを漁っていると真っ赤なインクで書いてある1枚の紙切れが出てきた。


「いつも見てます」


『なんかやばいの出てきた』

尋常じゃないほどの汗が出る。


俺「2人ともこれ見て」

そう言い紙を渡す。


親友A「お前の部屋にいた女この職場に入ってきてるな」


親友B「まじじゃん。こっわ」


親友A「どうする?警察に被害届出す?」


俺「なんの?」


親友A「ストーカー」


俺「出したら動いてくれる?」


親友A「これくらいじゃ動いてくれないかも。俺も実際は出したけど、何もしてくれなかったけど被害届を出したことで止めてくれたかな」


親友B「Aの場合は出したって言う行為が力を発揮したね」


親友A「出すだけ出してみたら?」


俺「帰りに出してくる」


親友A「お前も大変だな」


俺「お互い様だよ。今の彼女は平気なの?」


親友A「今の所はね」


俺「今の所ってどう言うこと?」


親友A「いつも付き合って2ヶ月経つと普通だった子が急にメンヘラみたいになるんだよね。そう言えばBは結婚して1年経つけどどうなの?」


親友B「俺たちは仲良しだよ」


親友A「まあ良いよな」


俺「結婚生活は楽しい?」


親友B「最高だけど浪費だけはさせないように小遣い制がきついね」


俺「良いよな幸せで」


イヤホンで聞いている女は言った。


「私が幸せにしてあげるよ」

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