第2話  『Re:Birth』

 帰りの車の中で……

「いやだな、またか」ドコモショップでも消せないメールが2通ある。悩んだがBirthの文字に引かれ開いた。


要約

 お元気にしていますか?

僕が死んだ後もずっと歌聴いてくれてますね。動画も見てくれてありがとう。

 近々、きちんとした報告ができると思いますが、皆さんの前で歌えそうです。楽しみにしておいてください。私も楽しみです。その日まで。バイ

               猛省の日々


「え? え? 尾崎じゃん!どういうこと?」


 あ~、詐欺。でもこんな現実性のないことするかね。あ~、いたずら。でもそんなことしてなんになる。

「う~ん、ほっとこ」


 無視しようと思ったが気が気ではなくなってきた。尾崎を姉の影響で中学生くらいから好きになり今でも好きだ。50歳のおじさんには今のキラキラした歌手は「おいしいものを食べ過ぎて、後で後悔」と感じるんだよね。それとこれだけは言いたいんだけど「尾崎死んで30年待ってるけど、尾崎っぽい人さえ出てこない」ってこと。Tシャツ、ジ―ンズ、アコギ、これだけで尾崎は最高の舞台を作った。もちろん多面性な部分が否定されることもあるけど……死人に口なしで死んだ後、仕事の関係者がどうのこうの言うのは僕から言わせれば「おまえたちの方が守銭奴だ! 道徳観が低い!」ってことよね!




 


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