第1話


01



 やあ、どうだい寝覚めは。

 寝覚め、そう——

 ——覚醒、だね。

 改めて。

 ようこそ、裏側へ。

 ああ、そのまま寝転がっていて構わない。

 多分に面倒だ。

 このままいこう。

 既におおよその理解には及んでいるとは思うが、そう、ここは君のいた世界とは違うよ。

 その通り、別世界さ。

 言っただろう。

——ようこそ、裏側へ。

 つまりここは、君のいた世界——表側じゃあない。

 裏側さ。

 そうだね、表裏一体なんて言葉があるが、しかし、全く以て別物、別世界。

 表側との大きな相違点を挙げるとすれば——んん、三つ、かな?

 一つ、前世の記憶を引き継げるということと、

 そしてここは表側じゃあないということ。

 三つ、ここには魔法と呼ばれる——表側で言えば、いや、あちらで言っても魔法か。

 そう、魔法がある。

 ここは裏側、魔法の世界さ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る