確かに狸は生きていた生き返ったといっても過言ではなかった。しかしそれは転生であり、転移ではないものの元の狸とは形は違うものの狸であった前前世と対して違いのない狸であった。親はスパルタ狸で略してすぱるたぬきに育てられた狸の名前はたぬよしであった。

「たぬよし、お前は何らかの才能を秘めているだろう」

 たぬよしはその何らかを具体的に指摘というか教えてほしかったのである。誰しもが何かしらの才能のかけらは持ち合わせているだろう可能性はあるだろうから、それを教えてもらえればなかなかに才能を伸ばせると思っていたからだ。お前は鳥が好きか、たぬよしの親は狸の言葉でたぬよしに聞いた。

「ええ、好きですね」

「ならば飛んでみよ」

 親はたぬよしを崖から落とした。

 偶然にも枝に引っかかったたぬよしは恐怖でそれ以降は親から逃げる生活を送るのであった。しかし親はたぬよしを探す旅に出た。いたちごっこ、もといたぬきごっこの始まりである。

「なんだよ。このホラーな展開。ですゲームの始まりですってか」 

 たぬよしは人間になった時の記憶のコピーを思い出してそう狸ごでつぶやいた。

 たぬよしは人間に変身して逃げることにした。しかしたぬよしの親ももちろん変身のうりょくはもちあわせているからどう鉢合わせしないですむか、逃げ切れるかは頭脳戦なのか、運なのか誰も知る由はなかった。預言者以外には。

「ほっほっほ、たぬよしは3日ごに親にであうでしょう」

 世界の運命を見るかのごとく水晶を覗き込む預言者、それはたぬき預言者であった。狸界の重鎮というより、占いの母である。

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