く
追ってくる父狸、それを目で追うたぬよし。
「たぬしよしよ。なぜにげる」
『父よ。わたしをどうするおつもりですか」
「お前を鍛えるのだ。必要ありません」
「ならば死ね」
まさかの殺戮狸の父親だとは。たぬよしは焦った。人間に変身しているが、何も武器をもっていなかったが、そこに落ちていたのはナイフであった。なぜこんなところに、天からナイフが落ちてきたとでもいうのだろうか。よくナイフを見てみるとそこには普通に果物のナイフと書かれていた。ただの落ち物か。天使が落としたわけではないのだろう。「その通りです。」天使の声が聞こえた。
「見てるなら助けろよ」
「それは不可能です。この天の声が最大限の助言になります。それ以外は過干渉になります」
「充分声だけdも鑑賞しているかんじがするのだけれど」
「まあそうでしょうね。じゃあやめます」「お前の声など聴きたくもないわあ」
「ねがったりかなったりです。」
天使の声がすぐさまやんだ。あめが急にあがるかのごとく。ごとし。
「まて、殺してやる」 『完全に狂人だな」
たぬよしは首を横に振った。実のところ父親は森に落ちていた人間が作った薬物をそれと知らずに摂取してしまったのだ。それが原因で厳格な父親は幻覚に近い症状を引き起こしていたのだがそれをたぬよしは知らないし知る由もなかった。
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