第11話

黄金色の筋肉が目の中に飛び込んできた。

筋肉が光っているだと? 

疑問に思ったが、それは普通の事である。筋肉組織が光を放つ仕組みを解明したからである。魚が色素を取って色が変わるのと同じで金箔を摂取する事で筋肉内に黄金の色素が取り入れられそれが細胞の中で反応を起こして筋肉が光るのである。

「俺の筋肉は光っている」

「そうね。確かにそれは私にも理解出来るわ。でもその仕組みは分からないし、知り得たくもない。それに今からあなたは死ぬ運命なのですものね」

 そう言って彼女は髪をなびかせた。

 刹那の風がやんだ瞬間戦闘が開始された。

 どうしてこんな戦いが始まったのであろうか。始まってしまったのだろうか。考えても答えは出ない。初めはただの軽い言い争いだった。しかしそれがのちにダムの決壊を起こす為の小さな亀裂だった事に二人は気づかなかった。

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