第3話 ふたつ

 ぼくが教室に入ると、教室は騒がしかった。周りを見ると知らない人ばかりで話すことが出来なかった。

【キーンコーンカーンコーン】

教室に知らない男の人が入ってきた…

「みなさん、おはようございます」

『おはようございます』

「今年度このクラスの担任になった林と言います。一年間よろしくお願いします」

 どうやら、うちのクラスの担任らしい。体は細く、見た目からすると年齢は40代前半ぐらいだろう。

「今から出席をとります。」

 ぼくは先生の声に耳を傾けた。少しでも早くクラスメイトの名前を覚え、ぼっちにならないようにするためだ。しかし、うちの学年は2クラスで1クラス40人いるためだろうか、先生が呼ぶ名前が耳から耳へと流れていく。こうして、朝のホームルームが終わり、ぼくは誰の名前も覚えることはできなかった。

 ぼくは机に顔を当て、落ち込んでいると、肩を叩かれた感じがした。そのため、顔を上げると

 「おまえ、南野ゆうやだっけ?」

 ぼくは知らない人に急に話しかけられたため、口が開いたままになってしまった。

 「おーい、大丈夫か〜?」

 ぼくは一旦深呼吸をして落ち着いた。

 「南野ゆうやだけど…」

 「よかった〜名前あってて。俺の名前は川本けんじ。よろしく、ゆうや!」

 「よろしく、けんじ…」

 その後、けんじと話して緊張せずに話せるようになった。明日からの学校生活に少し希望が持てた気がする。

 夜空には流れ星がふたつ流れていた。

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