第2話 朝

 次の日、空は雲ひとつない晴れだったが僕の心は不安という雨雲でおおわれていた。

 「ゆうや〜、早く起きなさい。今日から中学校に行かなきゃいけないんだから。」

 お母さんの声が聞こえたが返事はしなかった。そのためか、お母さんの声がどんどん大きくなっていく。僕はあきらめてリビングに行った。

 朝食はパンにケチャップとマヨネーズをかけ、その上にスライスチーズをのせて焼いたものだった。僕はこれが好きだ。食べている時にお母さんの顔を見るといつもより元気そうだった。多分、僕が受験で受かって学校に行くことがうれしいのだろう。

 ぼくは学校に行きたくないと思う方が恥ずかしくなり、新しい場所で楽しもうと考えた。

 「お母さん行ってきます」

 「いってらっしゃい、がんばってね」

 「うん!」

 こうして、ぼくの長い中学校生活が始まったのだ。

 「何か忘れてるような……そういえば、学校が隣町にあるからお父さんに送ってもらうんだった!」

 山と山の間から太陽が元気に輝いていた。しかし学校に着いた時、僕の顔は疲れていた。

 


 

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