第4話 あっという間に落ちこぼれ
中学生の時の僕の成績はオール4ぐらい、模試の偏差値は65、第一志望の高校の合格判定はA判定、卓球部に所属していて団体戦で全市大会優勝。人見知りではあったが部活に所属していたので友達には困らなかった。
自分で言うのもなんだけど中学の中では優等生だった。不満と言えば女子にモテないことだったけどそれ以外が充実していたから気にはならなかった。
中学生の僕は高校に入学してからも、それなりの優等生で中学と同じような生活を送るのだろうと思っていた。
だが、部活の最後の大会、集大成とも言える夏季大会の団体戦で一回戦負けに終わってしまった。しかも俺が勝てば進める大事な局面で俺は負けた。前回の市大会では上位に入れたので今回も表彰台に上がれるよう精一杯、努力してきたのに一回戦で負けた落胆と言ったら人生の中で初めての挫折となった。負けた瞬間の光景は今でも鮮明に覚えている。
今思えばここから何かの歯車が狂い始めたのかもしれない。だがいつまでも落ち込んではいられない。夏季大会が終わると次は高校受験が待っている。さいわい、成績はオール4で勉強はそれなりに出来た。
夏季大会の二の舞にはならないよう、1日のほとんどの時間を勉強に費やした。それが功をなし、初めは50だった偏差値もみるみるうちに伸びていき、65は安定して取れるほどになっていた。
自分にとって最大とも言える努力をして第一志望の高校もA判定を取れた。入試本番。特にトラブルもなく試験を終えることができた。
ゲームやYoutubeを断って持てる全てを受験に捧げていたので合格するだろうと思っていた。
しかし、合格発表の日俺の受験番号は無かった。見間違いを疑い何度も番号を確認したがやはりなかった。塾の先生によるとこの年はこの学校の受験者数が急に多くなったらしい。人生2度目の挫折、涙も出なかった。受験に落ちた悲しみというより自分の努力は通用しないんだなと痛感させられた。
高校は滑り止めで受けた私立の特進コースに入学した。これがいけなかった。この学校(このコース)は典型的な自称進学校だった。7限目の授業が終わると一旦、終礼をして掃除をすまし、そこから講座と言って1時間の授業がほぼ毎日のようにある。そして土曜日の午前中も授業があった。入学後に学年集会で言われた部活に入る時間がないという言葉の意味を知った。
ただでさえ、コミュ力がなかったのに部活にも入らなかったので話す友達もできずほとんどの時間を一人で過ごした。特に、昼休みの時間はやることがなく、机に突っ伏して寝たふりをするか何度もトイレに行くかのどちらかである。
勉強に対する意欲は無くなってはいたが元々成績が良かったこともあり、初めの定期テストは100人中20位の成績を取っていた。しかし、その後のテストもろくに勉強せず受けていくと20位の順位は40位に、40位の順位は79位まで落ち込んでいった。
挫折から始まった俺の高校生活は、全く勉強せず、かと言って部活にも入らず、熱い恋愛に心を燃やすわけでもない。中学生の時に思い描いていた青春とは程遠いものとなった。
現在、受験生の身分となったが偏差値40の模試の結果を見るたびに受験勉強へのやる気も失われていく。
これを読んでいる人でまだ高校生以下の人がいれば、ぜひ後悔のない高校生活を歩んでほしい。
明けない夜はないのだろうか ムロショウ @murosho1234
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。明けない夜はないのだろうかの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
仮病という名の持病/ムロショウ
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
雑多・メモなど/ユニ
★12 エッセイ・ノンフィクション 連載中 47話
なかの独り言/ハル
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 19話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます