第10話 本格的な料理教室

「で、光は鴻に対して、何を作ってあげたいの?」


やはり、誰かに何かを振る舞うとなれば、そこが重要になる。何を作りたいかによって、調理器具なんかも違ってくるし、材料も当たり前だけど変わってくるからなぁ。でも、さっきから光が全然目を合わせてくれない。なんで?


「なんかあった?」

「えっ!?……あ、いやいや、大丈夫」


ほんとかよ。さっきから妙ににやついてるお母さんはなんか知ってそうだけど。


「体調悪かったら全然休んでて良いんだけどね。別に今日じゃないとできないって訳じゃないし」

「いや、大丈夫」


そうして、数時間にも及び、やっと1品完成させて喜んでるけど、お昼時も近づいてることだし、お暇させてもらうことにした。


「良いよ良いよ。なんか作ってあげる。じゃ、座ってて~」


……昼御飯も食卓にお邪魔させてもらうことが確定してしまった訳である。相変わらず光は目を合わせてくれないし………。なんか、料理を待ってるこの時間が、気まずい雰囲気だったことだけ、報告しておきます。

あ、目あった。背けられた………。まじでなんだ。

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