第9話 治斗が家に着く前の話(光視点)

とりあえず、(兄妹である)鴻に料理を振る舞うため、治君を呼んだまでは良かった。のだが…。


「だーかーら、別にそういう関係じゃないって、何回言えば分かるの!?」

「だって~?料理なら、治斗君?だっけ?に聞くよりも、私に聞いても良いわけだしぃ、なのにわざわざ治斗君を?呼ぶ意味って、あるのかなぁ~?ってね」

「違う!なんでまたそんな勘違いさせるようなこと言うのかな!?お母さんは!」

「あらそぉ~?じゃあ違うんだったら、なんでそんなに焦っちゃう必要があるのかなぁ?」

「……」


盲点だった。あぁ、もう。顔暑くなってきちゃった…。あれ、もうそろそろ来るんじゃない?やばいやばい。なんとか抑えなきゃ……、はぁ。


なんでこうなっちゃうのかな。別に好きっていう訳じゃなくて、ただのライバルで友達ってだけなのに……。


「まぁ、よっぽどの子なんだろうね。その治斗君ってお友達。光がそこまで言うって中々だと思うよ」


はぁ、…………恥ずかしすぎて死にそう。

とりあえず、治君が来るまでに抑えなきゃ…。と、変に必死になった私だった。

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