第6話 幼馴染とその友達、そして違和感
色々と話しかけてくる(面倒な)幼馴染。適当に相づちを打ちながら、赤べこみたいに首を振っていると、後ろから声が聞こえてきた。
「星ちゃ~ん。一緒に帰ろ~?」
「わわっ!?蘭ちゃん?いや待って?私はまだ治斗に言いたいことが」
「さ、行くよ~」
そのまま、幼馴染は引っ張られて行った。実にナイスタイミングなお友達である。そんな人と笑って過ごせる幼馴染と対照的な僕。こうも違うか?普通。姉さんも同じ感じだし。う~ん。分からん。
そんなことを考えながら僕は帰路を歩いていた。
……なんか、いつもと違う気がする。僕が一人で歩いていると幼馴染に呼び止められて、それをそのお友達が引っ張っていく。いつもと何ら変わらないけど、ずっと誰かに見られているような、そんな気がした。
「あの……、木原、君?」
呼び掛けられて、意図せず止まってしまった。背中に何かぶつかる感覚がしたから多分ついてきてたんだろう。
「ふえっ……ど、どうしたの?急に止まって」
「そりゃビックリしたら誰だって止まっちゃうと思うけど」
「そっかぁ」
「で、どうしたの?」
「あ、うん。えっと、さ。どうして、避けてるの?咲本さんのこと」
「あのお節介な幼馴染は面倒なだけ」
「………木原君らしいね」
なぜかそこから、少し談笑する流れになって、同じクラスの女子と別れることになった。
学校の最寄り駅から数駅。件の本屋に足を運び、数時間本を物色していたが、空腹に負けて、そのまま本屋を後にした。
適当に自炊をして、昼食を終わらせた後、少しだけ課題をやって仮眠をとった。
そうやって、何気ないとまではいかずとも、平穏な1日が終わりを告げた。
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