第4話 僕という人間
朝7時
なぜか5時位に目が覚めてしまった僕は、課題をしながら、時間が経つのを待っていた。
「結局、やることは課題くらい、か……」
逆に友達もあまりいない僕からしてみれば、それくらいしか、本当にやることが無いのだ。
だから、やることが多すぎて頭を悩ますことがない。それに、そういうことを考えるのも飽きていた。
「母さんは?」
「さすがにまだ寝てるよ。治斗だって、早く朝ごはん食べて遊び行けば?」
「いや、いいよ。先に課題やんなきゃ」
「別に、君優秀じゃん。8月にやっても余裕でしょ?」
「焦らないようにやる。これが僕のモットー」
「じゃあ、治斗はまたぼっちの夏休み、と」
「それ以外に何があるんだよ」
「いや~?ただ、悲しいなぁって、思ってるだけ」
「哀れみの目を向けないでくれるかな」
「青春謳歌すればいいじゃん。なんでそれしないの?」
「逆に聞くけど、姉さんだってなんで僕を気にかけるかな。そっちのが謎」
「たった一人の弟を気にかけて何が悪いの?」
「はぁ……、余計なお節介だ」
昔から物事に優先順位をつけるのはあまり得意と言える方じゃないし、じゃあ、何が得意かと言われれば、目の前にあることをひたすら片付けるくらいとしかいえないのである。故に、理性的行動が多いが、真っ先なのが課題の片付け等が多いせいか、よく「優秀だね~」って感心される。
それが、僕という人間である。
「はぁ……、課題やろ」
「やっぱ治斗って真面目だよね」
別に良いじゃん。
内心、いつも姉さんとのやり取りは呆れている僕の、今日の姉さんに対する、率直な気分だった。
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