第3話 母親と電話(?)

「さすがに母さん遅くない?」


時刻は午後10時。今までは9時半くらいまでには帰ってきてたし、そうでなくとも連絡くらいは来ていた。


だけども、今日はそれすらない。若干不安だ。


「電話しよ」

「いや、探しに…」

「姉さん。……なんでそうすぐ外に出たがるかな。外に探しに行ったとて見つかる確証なんて何処にもないし、外出中に母さんが帰ってきたらまた外探しにいっちゃうかもしれないでしょ?そうなったら本末転倒だ」

「いつの間にかそんなに頭回るようになって…、ちょっと前まではちびっこだったのに」

「そんな昔をしのぶほど老いてないでしょ。さっさと電話する」

「分かってますよ~だ」


数コールすると、すぐに出てくれて、「仕事残っちゃってるから先に寝てていいよ~」ってことらしかった。その後に雑談で恥をかかされたのは、また別の話。

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