第2話 姉の恋愛話

「そういえば、治斗。あんたもそろそろ彼女くらい作ったら?」

「面倒くさい。だいたい、姉さんだって僕のトラウマくらい知ってるでしょ?」

「まぁね。でも、逃げてるだけじゃ変わらないと思うけどなぁ」


大分唐突に話題切り替えたと思ったら、急にお節介やきはじめた。


「じゃあ、姉さんはどうなのさ」

「ん~?まぁ、いないっちゃいないですけど。治斗みたいなトラウマがある訳じゃないし、作ろうと思えば、出来るんじゃない?」


じゃあ作ればいいじゃん。なんで僕にばっか構うんだよ…。


「まぁ、私だって、作る気がないのは事実だけども。映画とかフィクションで大学って恋愛の宝庫みたいな書かれ方よくするけど、実際は違うんだよねぇ」


何の独り言かな。ホントに。


「治斗も、いつかは誰かに好意を抱く日が来るのかなぁ」

「来なくていいよ。面倒だし」


今までずっと人から容姿だけで好かれ過ぎている僕だから、色々と恋愛が面倒なのを知っている。それに、恋愛における僕の色々は特殊過ぎて逆に彼女なんて作りたくないのである。

そうずっと思っている、今日この頃だった。

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