第2話 受験の前話
「あぁー、疲れた!」
山見明は受験科目の国社、算理、美術が終わった後、心の底から叫んだ。満足感、緊張、不安などいろいろな感情が混じりあった大きな叫び声だった。
だが、 周りの目はさっと明を見る。 なぜならここは受験会場、当然のことであるのだ。そのことを瞬時に理解した明はどこかに逃げようと考えた。そのことを考えていると、ある逃げ場所が頭をよぎった。
「トイレだ!」
どこにあるかもわからないまま教室を飛び出し、廊下にいたショートカットの優しいお嬢様風の人に聞いた。
「すいません。トイレどこですか?」
とても急いでいるように言った。
「それなら、1階を降りてすぐにありますよ。」
とても、御機嫌斜めの様子で答えてきた。
「ありがとう。」
明はそう、彼女に告げると駆け足でトイレへ向かった。
「やっとついた。ん⁉︎」(男子トイレがない⁉︎)
どうして男子トイレがないんだ?どうしてだ⁉︎もしかして共学化なんてない。僕は勘違いでここへきたのか?イヤイヤ、そんなはずがあるはずがない。でも待てよ。もしかしたら、もしかしたらだけど、ここはそういえば女の子ばっかりのような・・・
明は光速でこのようなことを考えた。
「早くしてくれない!さっきからずっと我慢しているんだよ!」
金髪の幼い見た目をしている碧眼の可愛らしい子に注意をされた。
明の頭がまたもや光速で考え始めた。
人として、いや、漢としての一線を超えてはならないのではないか。ここに入れば僕の男としてのプライドがっ、さっきの人に強い力で押され、明は入ってしまった。
入ってしまったならしょうがない。そのまましていこう。
悩み、悔やみ悲しみながらも、出るタイミングを図っている。
今だと思い、出て行った。
その後、先生からの話があり、解散した。
これで明の受験が終わったのであったが・・・
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