壮大な勘違いで、男子が女子校に行ってしまった⁉︎

うりしゅぎ

第1話 女子校潜入記

皆さんは信じられるだろうか。

今、自分が置かれている状況を。







信じられない!

「ねぇ、何で僕、女子校に行くことになったの?」

自分でも誰に聞いてるかわからない。

その位、山見やまみ 明あきら(男)は精神的に追い詰められていた。

なぜかって。理由はとっても簡単なのです!皆さんも気づいていらしてるように、ここは「女子校」、僕はきちんとした「男子」‼︎

って、誰に話しているんだろう。

突然告げられた厳しい現実に、セーラー服を着た僕は、固まっていた。







振り返ると約5ヶ月前になる。担任の古本先生が中学校のパンフレットを8枚ぐらい配っていた。その中でも、とても目立つパンフレットが1枚あった。

私立「オルケット女子大学付属中学校」と大きな文字で、昔のアメリカの映画に出て来そうなよくわからない書体でローマ字を使って金色で書かれていた。

僕は、ずっと学校にいる間ずっと気になって、授業もそのことで頭がうまっていた・・・









「ただいま!」

山見明の声が和風な家の中えと響きわたった。

「アレ、今日、お姉ちゃん帰ってないのかな?」

山見家の父と母は、この家にはいない。

いつ帰ってくるかもわからない。

お姉ちゃんは、大学生で僕を養うために働いている。

この家にはあと、おばあちゃんがいる。

「やぁ、明、お帰り」

優しい声で言っていた。

「明、何する。お風呂、ご飯、それとも・・・」

「もう、この話いつもやめてって言っているよね。」

呆れた声でボソッと呟く。

「今から勉強するから。」

そう言って二階にある自分の部屋えと向かった。

早速、他のパンフレットには目もくれず、オルケット大付属中のパンフレットを見た。

その瞬間、後ろからそっと忍びよる影があった。

「姉ちゃん、いるのはわかってるんだから。」

お姉ちゃんはいつもこうしてこっそり、僕の部屋に入ってくる。

「バレちゃった。ざーんねん。せっかくお姉様が帰ってきたというのに。」

いつもこんな調子だ。

「ところで、何見ようとしてるの?」

「勉強の教科書だよ。本当に、本当だよ。」

お姉ちゃんはその言葉に耳も貸さず、サッ、とパンフレットレットを取り上げる。小柄な明は何も抵抗ができない。

「明って、ここに行きたいの?まぁ、私も行って楽しかったけど、ここは女子校だよ。」

「イヤイヤ。来年から男子も高校まで入れるようになったんだよ。いわゆる、共学化をするんだよ。」

待ってましたと言わんばかりに答えた。

「へぇー」

お姉ちゃんは驚いたように答える。








それから僕は、ここの中学校を受験しようと決めた。それからはというもの、勉強を必死になって

死ぬ気で頑張った。1日1日を大切に、勉強をした。時には諦めたいと思ったが諦めなかった。

明は、容姿は女の子のようで

「アカリちゃん!」

「とても可愛いでちゅねー。」

などと同級生の男の子にイジメられていた。

もう二度とあんなところ行きたくない。あのカッコイイ制服を着て、僕も男らしくなるんだ!








そして、受験の日がやってきた。

「何で受験場、女の子ばっかなんだ?」

それが、石見明にふりかかった不幸の始まりだった。


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