第108話 必勝
それは木製で、手鏡のような形をしていた。
なんでも、ボイルしたライスをかき混ぜたり皿に盛ったりするのに、これを使用するそうだ(言われてみれば、平たいスプーンのよう)。ただ、サイズは大きい。全長五、六十センチはあるだろうか。
表面には呪術的なChinese characterが黒インクでしたためられているが、彼には読むことができない。
「この二文字は、Victoryを意味する。そして」眼鏡の奥の目を細めて男は言う。
「これは、私の署名、Kissi Da Fmy Wow」
これを君に手渡すためにはるばるここまで来たのだと、眼鏡の男は笑った。
窓の外では、ばたばたと人が死んでいた。ここは、戦場だ。
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