検討
「英里華ちゃんには、いないの?」
魔物の前に、コーヒーで満たされたポットを置いた後。
ふたりは別室に移りました。
「宝石とか金の延べ棒とかを貸してくれる知り合い」
「…いない」
「そっかぁ」
「あんたには?」
「残念ながら、香奈ちゃんにもいない」
「まあ…仮にいても、『あなたの持ってる宝石を一晩貸してください』って、頼みたくはないけど」
「それ、明らかに怪しい人だね」
「複製した宝石を換金する時に、騒ぎになる未来が予想できるし」
「『何であんたが、私が貸した宝石と同じものを持ってるの!?』って?」
「私なら…『フェイクと入れ替えて、売ろうとしたんでしょ!』って 絶対に問い詰めるね」
----------
「…ねえ」
香奈さんが呟きます。
「貴金属じゃなくて、お金とかでも良いんだよね?」
「確かに。」
「英里華ちゃんの財布には、1万円札とか入ってないの??」
「千円札1枚しか、入ってない」
「や・く・た・た・ず」
「─ じゃあ、あんたが出しなさいよ」
「私のお財布に入ってる一番高額なお金は、500円硬貨でーす」
「── それで、人を役たたずとか 非難するか?」
「えへ☆」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます