第2話 古の都



 いにしえの都、京。


 桓武天皇が長岡京から平安京に都を移してから凡そ200年。



 若き花山天皇が出家のため退位し、数え年七歳の一条天皇が即位してから、早9年の時が経っていた。



 世は、天皇の祖父として絶大な権力を誇っていた『関白』藤原兼家が亡くなり、代わってその息子 道隆がその座に就いたことによって…一つの時代が終わり、また新しい時代が始まりつつあった。



 道隆は娘の定子を一条天皇の元に入内させ『中宮』としたことで、己の立場を絶対的なものとし…。


 ついに、兼家の後継者として政の頂点に立ったのだった。


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