第37話
「神……?」
僕の言葉に対してゆっくりと目の前の男は首を傾げて口を開く。
「神……神……神……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!」
そして男は発狂する。
「神よ!神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そして、大きな声で……狂ったように大声を上げる。
瞳を回転させ……体を回転させ……首を回転させながら。
「偉大なる神よッ!!!我らが愛すべき神よッ!!!全知全能たる我らが神よッ!!!」
男は叫び続ける。
「……神?我らが神と同種……?」
男の体が捻じれて壊れて……男の白目が僕のことを睨みつける。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!ただの吸血鬼がッ!!!人に仇なす吸血鬼がッ!!!我らが神と一緒にするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
「僕だってちゃんと人間の味方をする吸血鬼なんだけどなぁ……」
異端審問官としての衣装が僕を包み込む。
「異端審問官第二席『異端』……我らが神の教典に従い異端審問を執行をする」
「黙れッ!!!悪魔!吸血鬼!余は憤怒の枢機卿!ミルダンテ!神の裁きを知れぇ!!!」
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