第35話

「そっ!?そんなものがあるの!?」

 

 僕の言葉にシーネが身を乗り出してくる。


「いや……計画と言っても大したものじゃないけどね。すごく簡単な話なんだけど、この国ある悪魔崇拝者たちの拠点は知っているし、学院の生徒たちの力も借りながら着実に一つずつ潰していくだけだよ」

 

 僕はものすごく簡潔な計画をシーネに話す。


「え……?拠点は既にわかっている?」


「うん。当たり前じゃん」

 

 今、一番の敵は悪魔崇拝者であり僕の持っているすべてを動員して悪魔崇拝者の情報を集めているところなのだ。

 拠点の位置を把握するくらいなら余裕で出来る。

 

「そもそもの話。多分今の僕たちが王城に乗り込むだけでなんとかなると思うよ」

 

 僕は絶対に出来ないことをみんなに告げる。

 王城にはアルミデウスのような枢機卿が二人ほど派遣されている。

 今の僕とみんなじゃ倒せないだろう。


「ほんと!?じゃあ今すぐにでも乗り込もうよッ!!!」

  

 まぁ、枢機卿は二人共吸血鬼としての力を振るって僕が退治しておくんだけど。


「もう今日は夜も遅い。さっさと寝て英気を養うことを優先した方が良いと思うよ」


 僕は荒ぶっているシーネに対して落ち着くように告げた。

 さっきから荒ぶりすぎだよ?気持ちは痛いほどわかるけどね。

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