第33話

「ちょ!?ちょ!?……それはどういうことなの!?」

 

 シーネが勢いよく立ち上がって僕の方へと掴みかかってくる。

 その形相は凄まじいものだ。


「なんであなたが知っているの!?も、もしかしてあなたなら止められたんじゃ!?」


「ちょいちょい!」

 

 僕は掴みかかってくるシーネを落ち着かせる。


「流石にそれは飛躍させすぎだ。……一国が転覆させられるのを個人で止めろって言うのは流石に無理があるだろ。僕に期待を持ちすぎた」

 

 とりあえず僕の胸ぐらを掴んでいる両手を離させて、ベッドの方へと押し戻す。

 びっくりだよ……まさか止められるんじゃないか!?ってところまで考えが向かうことになるとは……さすがの僕であっても予想外だよ。


「あ……ご、ごめんさない……少し熱くなりすぎたわ……」

 

 それに対してシーネは謝罪する。


「全然構わないよ。むしろ当然の反応だと思うから。……落ち着いてもらえたようで良かった……じゃあ、僕が知っていることについて話していこうか」

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