第26話
「へぇー」
僕は帝国ならではの魔道具に関心を示す。
「我が国の強大な軍事力は魔道具によって支えられていると言っても過言ではないからな!」
帝国はアンデッドの戦禍に巻き込まれることはなく、数々の人間との戦争を経験して大国へとその地位を押し上げた国家である。
だからこそ、対人兵器のようなものが多くなったのだろう。
今、僕が手に取っているのは火縄銃のようなものである。
誰でも使える。それをモットーとし、あまり魔力を保有していないものであっても問題なく使える魔道具だ。
その効果は爆発。
原理としては普通の銃と同じだ。
火の魔力が込められた鉄の粉を火縄銃へと装填し、後はほんのわずかな魔力を流すだけ。
それだけで弾丸が飛び出す。
魔法によって小さな爆発が銃内部で引き起こされ、弾丸が飛び出すのである。
「それはコーラカル。我が帝国の最新魔道具ね」
僕が持っている火縄銃らしきもの、もといコーラカルを見てラミレイアが楽しそうに、誇らしそうに告げる。
「これは……対アンデッド戦でも使えそうだな」
低級、中級アンデッドくらいならばこのコーラカルでも倒せるだろう。
吸血鬼である僕からしてみればこんなものおもちゃにもならないようなゴミなのだが……低級、中級のアンデッドならばこれだけでも十分だ。
流石に鉄の弾丸じゃ心もとないが……銀の弾丸や、聖水によって清められた弾丸なのであれば
心臓を、生命を、死すらも司っているしんの臓腑を銀の弾丸で撃ち抜けば、容易く死ぬであろう。
「ふぅむ」
本確定な訓練を受けていない村人たちの戦闘力は対アンデッド戦だと皆無と言っていい。
ただの肉盾、足止め、雑用にしか役に立っていない平民の兵士たち。
彼らにこれを持たされば今まで以上の活躍を見せてくれるだろう。
……よし。これの最新モデルを輸出するように皇帝を脅……いや、交渉しにいくことにしよう。
「ねぇ……これは?」
ルトやマリアたちも見られぬ魔道具を手に取り、これが何なのか、各々ラミレイアへと尋ねていた。
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