第18話

「ほいさ」

 

 僕を勝者として宣言する先生の言葉を聞いて後、僕は指をならして魔法を解除する。


「ハッ!!!」

 

 自身の精神を闇へと閉じ込めていた闇魔法が解除されたことでラミレイアが目を覚まし、そして、自分の身に死が迫っていることを認識し、ピタリと動きを止める。

 ……ここで下手に動かないのはポイント高いね。


「な……何、が?」

 

 ラミレイアは呆然と言葉を漏らした。


「い、一体何をしたのだ?私は何故……」


「闇魔法だよ」

 

 僕はラミレイアの言葉に答える。


「……闇魔法……こ、これが……」

 

 ラミレイアが僕の言葉に呆然と呟いた。

 一体何をしたのか、全く理解出来ない。という表情を浮かべていた。


「す、凄まじいな……」


「ふふふ」

 

 僕は笑顔を浮かべる。

 そしてラミレイアの視線を眺める。


「別にそんなに難しいことはしていないんだけどね。対応策を知れば結構簡単に対策出来るんだけどね」


「そうなのか?」


「うん。もちろんだよ。実は僕は初見の戦いで苦戦したことないんだよね……。誰も彼も闇魔法に対策なんてしていなくてね……対アンデッド、対吸血鬼のために訓練をしているというのにみんな闇魔法の対策してなさすぎなんだよねぇー。本当に戦うつもりがあるんだろうが?」

 

 僕は首を傾げ、告げる。

 ……学生たちはみんな自分の腕を磨くばかりで、敵を知ると言う最も大事なことを忘れ、敵の力である闇魔法に対して何の対策もしていない。

 これは一番の憂慮するべき問題だ。学校を卒業した戦士たちは、初めて戦うアンデッドに対して混乱し、何もすることが出来ずに殺されているような状況なのだ。


「もっとみんなには闇魔法について学んでもらいたいよね」

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