第17話

「よし!次は私の番だな!勇者をも超えるというその実力!非常に楽しみだ!」

 

 金髪と金眼の少女が闘技場へのジャンプし、手に持っている大剣を振り回しながら告げる。

 元気だなぁ。

 彼女が僕の対戦相手であるラミレイア。

 帝国騎士国家学園一年生最強の少女である。


「早く闘技場の方へと上がってくると良い!」


「そんなに急がなくても良くない?」

 

 僕はゆっくりと闘技場の方へと向かい、少女の前に立つ。


「私はもう待ち切れないのだ!もう構わぬよな!」

 

 僕が闘技場へと立ち、刀を取り出した瞬間にラミレイアは僕に向かって突撃してきた。

 審判である先生を無視して。 

 どこまで戦いに飢えているんだよ……。

 

 バンッ

 

 銃声が上がる。


「……ッ!?」

 

 記憶より再現した銃を握った僕はラミレイアへと発泡したのだ。

 結界などによってその体を防御しているこの世界の住人にはあまり銃による攻撃は効かない。

 しかし、だからと言って効果がないわけでもない。

 特に武器破壊と言う意味ではかなり強いだろう。

 

「な……なんと!」

 

 僕が発泡した銃弾は大剣の柄へとぶつかり、破壊した。

 大剣の刃自体は強固で現代地球にはない素材で作られているため、破壊することは困難を極めるのだが、武器の柄くらいなら破壊出来る。

 武器をあっさりと破壊されたらミレイアは足を止めた。


「……実に面白い!もっと!もっと血の沸き立つ戦いを楽しもう!」

 

 ……戦闘狂。

 馬鹿だから嵌めやすいな。


「いや。もう終わりだよ『ナイトメア』」

 

 僕は闇魔法を発動する。

 精神に働きかける闇魔法は、僕の発動した魔法はラミレイアの精神をいとも容易く闇へと叩き落とす。


「ほいさ」

 

 僕はぼーっと立っているラミレイアへと足蹴りを行い、彼女の身を守っている結界を完全に破壊する。

 

「おわーり」

 

 僕は刀をラミレイアへと向ける。

 これで勝利だ。


「だよね?先生」

 

 僕は審判なのにずっと置いていかれていた先生の方へと視線を投げかける。


「あ、あぁ。そうだな、勝者!アウゼス!」

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