第19話

「闇魔法。それはなにか。すっごく簡単に話すと、精神へと干渉する魔法です」

 

 僕は教職員さえも含めた一学年の生徒たち全員の前で教鞭をとったいた。


「抑えて置かなければならない重要なポイントはここです。ここさえ理解出来てしまえばひとまずは大丈夫でしょう」

 

 今、僕は闇魔法についての授業を行っていた。

 ……何故か、生徒である僕が授業を行っていた。 


「闇魔法には精神へと干渉する以外の魔法も当然ありますが……それらはどれも高難度の魔法です。これらの魔法が使えるのは魔法を極めたアンデッドであるノーライフキングやヴァンパイアの上位種であるエルダーヴァンパイア辺りとなってきます。ここらへんと出会ったらまず死なので気にする必要はありません。少し前にドワーフ王国がたった5人のヴァンパイアに壊滅的な被害を負わされました。たったヴァンパイア5人にです。そして、ヴァンパイアの10や20倒せるのがノーライフキングやエルダーヴァンパイアです。もし、戦うような場面があれば全力で逃げてください」

 

 僕はどうしようもないことを生徒たちに教える。

 この世界の人類は崖っぷちどころか、既に落ちかけている。

 今、吸血鬼とノーライフキングなどの最上位アンデッドたち人類を滅ぼすために行動を開始すればガンジス以外の全人類は破滅するだろう。 


 まぁ、最上位アンデッドたちは基本的に動かないし、吸血鬼は盛大な内ゲバをしているので、動かないだろうけど。


「まぁ、というわけで君たちは精神干渉系の闇魔法についてだけ覚えておけばいい。……その対処法はあまり難しいものではない。この対処法がすべての基礎だ。この技術を高めることで高位の精神干渉系闇魔法に対抗出来るだろう」

 

 僕は一度言葉を切る。


「やることは簡単。自分の魂を魔力で保護するだけ。聞いただけだと難しく聞こえるかもしれないけど、誰でも出来る簡単な技術だ。そのやり方を今から教えていこうと思う」

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