第11話

 多くの生徒たちが視線を向けているステージの上。

 そこに僕とマリアとルトは立っていた。

 

「どうも。皆さん。はじめまして。ルトと申します。勇者の称号を関する者です。仲良くしてくださると幸いです」


 声を広範囲に届ける魔道具、マイクを使ってルトが自己紹介を行う。

 次にルトがマリアにマイクを渡す。


「はじめまして。私はマリア。火の聖女の称号を関するファースト王国公爵令嬢です。どうかよろしくお願いいたしますわ」

 

 マリアが貴族らしい素晴らしい礼を見せる。

 そしてマリアが僕の方へとマイクを渡してくれる。


「はじめまして。僕はアウゼス。勇者だったり、火の聖女で公爵令嬢だったりする二人とは違い、僕はただの一般平民です。どうか、よろしくおねがいしますね」

 

 僕は笑顔とともに自虐的な自己紹介をしておく。

 ちなみに言語の違いであるが、そこら辺は魔法が勝手に翻訳してくれるため気にする必要はない。


「はい。どうぞ」

 

 そして、僕はステージ上に立っている先生へとマイクを渡す。


「こ、この三人が我々の学校へと留学してきてくださいました。皆さん、どうか仲良くしてあげてください」

 

 先生がステージの下にいる生徒たちに向けてそう話した。

 

「この三人は一年生の最上位クラスに入ることになります。最上位クラスの人はひと時の間、同じクラスの仲間となります。ぜひ仲良くしてあげてください」

 

 先生が一年生の最上位クラスの方へと視線を向けて、告げる。


「それでは今日の集会を終わりにします。気をつけ、礼」

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