第10話
結局。
シーネは僕たちのところに戻ってくることはなかった。
そして、僕たちはシーネが居ない状態、三人のままでアルメシア帝国の学校に入ることとなった。
アルメシア帝国の人にシーネのことについて聞いたらはぐらかされてしまうので、シーネの現状を知ることは出来なかった。
僕は知ろうと思えば知れるけど……皇帝を刺激したくはないので、まだ動いていない。
シーネに対して害意を加えることはしないだろうから。
アルメシア帝国がシーネに害意を加えた場合、僕を始めとした異端審問官。ガンジスとかいう怪物が本気で動き、アルメシア帝国を灰燼に帰すので、そんな愚かな真似はしないだろう。
「とうとうだな」
僕の隣に立っているルトがボソリと告げる。
「そうね」
ルトの言葉に対してマリアが頷く。
今日、僕達が初めて学校の生徒の前に姿を現す日なのである。
帝国騎士国家学園。
それが僕たちが留学生として入る学校の名前だ。
帝国騎士国家学園はアルメシア帝国で一番大きな学校であり、アルメシア帝国内の選ばれたエリートのみが行ける学校だ。
1クラス、30人。1学年、3クラス。
計3学年、全校生徒270名。
クラスの決め方はファースト王国同様に実力によって上から順番につけられることになる。
僕たちは1年生なので、1学年のクラスに入ることになる。
ちなみに僕たちが各クラスに一人ずつ入るのではなく、一番上のクラスに3人全員入ることになる。
「ファースト王国から留学してきてくださったお三方に自己紹介をしてもらおうと思います。それでは、どうぞ」
今日。
この学校では集会が行われている。
集会の内容は留学生である僕たちの自己紹介のためである。
「行くか」
「そうね」
「ん」
僕たちは裏からステージへと上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます