第4話
しばらくマリアお姉ちゃんの話に相槌を打ちながら話を聞きながら、馬車に揺られていると僕たちは目的地であったアルメシア帝国の帝都にやってくることが出来た。
「どうぞ」
僕たちの御者をしてくれた人が馬車の扉を開けてくれる。
「にょっと」
僕たちは開けられた扉から外へと降りる。
「「「ようこそお越しくださいました」」」
外へ出ると同時に多くの使用人たちが僕たちに向かって頭を下げる。
お出迎えの人だろう。
わざわざ実にありがたい限りである。
「はい。えっと……私たちはどこに行けば良いのでしょうか?」
僕達を代表して何故か使用人たちに話しかける。
……三人は貴族、皇族で僕は平民なんだけど……どうしてこんなことになっているのだろう……。
「はい。あなた方にお通いになってもらう学園の近くにある宿に宿泊していただく予定です」
「なるほど。えっと……僕たちはそこに向かえばいい感じですかね?」
「あ、はい。そういうことになります。では、ご案内させてもらいますね」
話をしている僕もびっくりするくらいに緊張している使用人さんと会話しながら、歩き出す。
「申し訳ありません。よろしいでしょうか?シーネ第二皇女殿下」
そんな中で使用人の人がシーネに話しかける。
「「えっ!?」」
シーネが第二皇女殿下と呼ばれたことに対してマリアお姉ちゃんとルトが驚きの意を示す。
「……何かしら?」
シーネは驚いている二人を無視して使用人へと視線を向ける。
「お父上であられる皇帝陛下がお呼びです」
「……わかったわ。今、行くわ」
そして、シーネは使用人についていって、どこかへ行ってしまう。
「え……あの子、皇女だったの……?」
「驚愕だ」
シーネは自らのことをアルメシア帝国の貴族の娘と名乗り、皇女であることを話していなかった。
だから、驚愕したのだろう。二人は。
「それでは、みなさんはこちらへ」
緊張しまくりの使用人が残された僕達三人に告げ、先導として歩き始める。
僕達はその後を大人しくついていった。
んー。皇帝にもちゃんと挨拶しに行かないとな。
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