第46話
「あ、あぁ」
ドワーフ王は困惑のまま僕の言葉に頷く。
「確かまだ吸血鬼が……」
「あぁ。ご心配なく。三人の吸血鬼並びにエルダーヴァンパイア一人をしっかりと浄化しておきました」
「エルダーヴァンパイアッ!?」
僕の一言を聞いてドワーフ王が叫ぶ。
「まさか!?そんなッ!?そんな怪物がここにいるだとッ!?」
あ、ドワーフ王ってばエルダーヴァンパイアに気づいていなかったんだね。
「ご心配なく。すでに浄化済みでございます」
「なっ……浄化、済み」
「はい」
「す、凄まじいのだな」
「いえいえ。私などまだまだにございます。主席であれば単独でエルダーヴァンパイアの10や20は無傷で浄化なされるはずですから」
「こ、これが噂に聞く異端審問官の実力と言うわけか……末恐ろしいな」
「ご安心を。我々の力の矛先はアンデッド並びに魔物のみ。人類には決して向けない故に」
「そうか……それはありがたい」
ドワーフ王は顔が引きつりそうになるのをぐっとこらえながら僕の言葉に頷く。
……まぁ、引きつりそうになっているのをこらえているのは認識しているんだけどね。
「あッ!?ところで少年を見つけなかっただろうかッ!?まだあどけない小さな少年なのだがッ!?」
「ん……?あどけない少年。見た目に似合わず強力な力を有している少年ならば見つけたぞ」
「い、今どこに……?」
「案ずるな。しばし、外に行かせているだけだ。外に連絡させるためにな」
「な、なるほど……それは良かった……」
僕の言葉を聞いてドワーフ王が安堵の息を漏らした。
「それにしてもあの少年は非常に強力だな。一人で吸血鬼三人と渡り合っていたぞ?」
実際に人間状態の僕は吸血鬼三人に囲まれても渡り合うことは出来る。防戦一方になるだろうが。
人間状態の僕は凄まじい速度で成長しているのだ。
「なっ!?一人で吸血鬼三人を!?……まさかそこまでやるとは……」
僕とドワーフ王は対話を続けた。
話題はドワーフ王国の復興についての話へと移っていく。
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