第29話
「酒だ!酒!酒を持ってこいぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!」
「浴びるように酒を飲めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!」
「飲め!飲めぇぇぇぇぇぇぇ!今日は祝いだぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「みんな!ありがとぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
試練が終わったその夜。
みんなで酒場でどんちゃん騒ぎしていた。
ドワーフたちは強力な酒飲みである、みんながみんなで酒を飲んで酔っ払っていた。
「……すごい、元気ですね」
「うん。騒々しいね」
そんなみんなからは一歩引いた場所で共にお酒をちびちびと飲んでいた僕たちはそう話す。
「それでも……みんなが嬉しそうで良かったです」
「そうだね。試練大変だったね……」
「はい」
「……めちゃくちゃ僕が大変だったよね。僕の負担大きかった……。というか、試練の本人よりもサポートだった僕の方が大変だったよね?」
「……確かにそれはそうでしたね」
「まぁ、そりゃそうだろ!あれはどちらかと言うと、ちゃんとした味方をドワーフが用意出来るかどうかの試練だからな!俺らドワーフは空気を読むことも、他人の感情を察することも出来ないからな!良い仲間を見つける!それがこの試練の一番の理由だからな!」
「「えぇー」」
僕と罅隙はいつの間にか隣に座っていたドワーフ王の言葉に引いたような言葉を上げる。
「え?嘘でしょ?ただただ仲間を図るだけの試練だったの?わざわざそれだけのためにあんな難しい試練にしたの?あのミノタウロスとかクソ強かったんだけど?」
「ほおー。お前らの敵はミノタウロスだったのか。……随分と強いんだな」
「……ん?何その言い方?」
僕はドワーフ王の言葉に違和感を感じ、首を傾げる。
「あぁ。最後の試練は試練対象者によって能力が変わるんだ。試練対象者が苦戦するような相手を作るんだよ」
……え?
僕はその言葉に固まる。
第三試練を受けたときに僕が吸血鬼状態のままだったら、そのレベルの魔物が現れていたの?え?何それやばくない?
最強魔法じゃん。怖すぎるんだけど。
最初のときの吸血鬼状態のまま進んでいたらどうなっていたのか……考えるだけでも恐ろしい。
僕が苦戦するってエルダーヴァンパイアかよ……。
「まぁ!頑張ったな!お前ら!いやぁー。あいつもお前らのような良い仲間に恵まれて良かったなぁー!!!」
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