第9話

「まさか……本当に勝つとは……」


「マジかッ!!!」


「大番狂わせだッ!!!」


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!大勝だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!大金持ちだァ!!!」

 

「嘘……だろ……俺の今日の晩飯代が……」


「へっ!どうだ!!!ほれ見たことか!俺はあのガキを信じていた……いやぁ!良く見えるなぁ!あのガキの纏っているオーラが!」


「くっ……!調子に乗りやがって……」

 

 僕の勝利にそれを見ていた観客たちも面白い反応をしている。特に酷いのが賭け事をしていた連中の反応である。

 僕に大金を賭けていた頭の可笑しいな人は狂喜乱舞している。


 ……それにしても本当に勝つとは。こんなにもあっさり行くとは思わなかった。


「ナイスだぜ!!!」


「……あの勝ち方は良いのでしょうか?」

 

 僕のもとに満面の笑みを浮かべたギリアと首を傾げた罅隙が近づいてくる。

 ……罅隙。その疑問は至極もっともだが、油断していたドワーフ王が悪い。それで終わってしまうのがドワーフなのさ。


「カッカッカッカッ!!!これはあっぱれよ!」

 

 毒に倒れていたはずの男はなんかいつの間にか立ち上がって高笑いしている……何をしているんだ?

 あれってば一応大型の魔物も一日中シビれさせているだけの毒のはずなんだけど……回復早すぎないか?


「流石はギリアの娘の仲間かッ!いやぁー実にあっぱれな勝ち方だ!ぐぅの音もでん!」


 ドワーフ王は豪快に笑った。


「次にやれば負けぬが……今回は完全な負けだな。さて、お前さんが勝ったのだ。何か我にやってほしいことがあればいつでも言うが良い。


「あぁ。そうさせてもらうよ。貸し1ってことで。今別にしてほしいことも無いしね」


「あいわかった。貸し1だな!……お主らは試練のために来たのよな?」


「うん」


「あぁ。そうだ」


「うむ。では、試練についての説明をしようか……俺に勝った強者であればお供としても十分だろう」


 ドワーフ王は頷く。それに対してギリアは目を輝かせた。


「こんな大勢の前で話すようなものではないのでな。場所を変えるぞ?この俺についてこい」

 

 ドワーフ王はそう告げると、ノシノシと歩き始めた

 ……ふんどし一丁で。

 そう!ふんどし一丁で!


 ……ちょっとまって?

 いつ僕は服は着させてもらえるの?いつまで僕はふんどし一丁スタイルなの?僕の服は?預けた僕の服は?早く返して?

 僕もふんどし一丁スタイルじゃなければいけないの?そういう文化?

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