第4話
「話は聞かせてもらいまいましたよ!」
突然響いた声。
その声の持ち主。
「お?罅隙じゃないか?何故ここに?」
それは罅隙だった。
突然現れた罅隙に対してギリアが疑問の声を向ける。
「あぁ、いえ。あの……その、す、すみません。……じ、実はですね。和の国は侍の国であり、刀鍛冶が多くいる鍛冶屋の国でもあるんですよ。そして、私はその国の天皇なんです。で、ですから、ドワーフであり土の聖女であるギリア様の鍛冶に興味が湧き、こっそりとついてきていたんですよ。こっそりとすみません」
「おーなんで、こっそりと?普通に話しかけてくれれば良かったってのによ。全然あたいは構わなかったぞ?アウゼスもいいよな?」
「うん」
ギリアの問いかけに僕も頷く。
「いや、お二人の時間を邪魔してはいけないかな、と思いまして」
それに対して罅隙はそう答えた。……別に僕とギリアは付き合っているわけじゃないんだけど?
「お二人の?」
罅隙の言葉にギリアは首を傾げる。
「あぁ、いえ。わからなければ良いんです。あぁ、それで、です。私もドワーフたちについて興味があるのでついて行ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、全然構わないぜ。アウゼスもいいよな?」
ギリアが黙っていた僕に向かって疑問の声を投げてくる。
「うん。依頼主はギリア。ギリア雇うというのであればそれで構わないよ」
「よし!じゃあ決まりだな」
「ありがとうございます!」
罅隙が勢いよく頭を下げた。
「えっと……それじゃあ日程だな。罅隙は何処か駄目な日程とかあるか?」
「あぁ。いえ。そういうのはございません。すでにこの国の方々への挨拶は済ませておりますので。私の仕事はもうありませんよ。……私がしなくてはいけないことは勉強ですから」
「なるほどな。じゃあ結局あたいが決めていいってわけか。なんか申し訳ないな」
ギリアが若干申し訳無さそうにしながら、日程を決め僕たちに教えてくれる。
罅隙はメモを取り、僕は頭に記憶させる。
これくらいのことなら問題なく覚えていられる。
「よし、ということで決定だな。みんな、頼んだぞ?」
「任せてください!」
「依頼だからね。お金を貰っている以上全力でやるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます