第50話
「あぁ。すみません。申し遅れました。私。レーテーと申します。とあるお嬢様にお使えさせてもらっている執事にございます。以後お見知りおきを」
老執事の吸血鬼、レーテーが今更ながら僕に礼をしてくる。
「ご丁寧にどうも」
僕はレーテーの自己紹介に言葉を返す。
「別に僕の自己紹介は要らないよね?すでに僕のことなんて知っているようだしね?」
「はい。アウゼス様の言う通り、アウゼス様については少しだけ知っております」
僕の言葉にレーテーは平然と頷く。……どこで僕のことを知ったんだが。
「じゃあ行くよ」
僕は魔法を発動する。
多種多様の魔法を。僕の記憶の中にあるたくさんの人間の知識を元に、雷属性以外の属性の魔法も再現し、使っていく。
火属性の魔法。水属性の魔法。風属性の魔法、土属性の魔法。雷属性の魔法。対アンデッド用とも言える光属性の魔法は僕にも影響があるので使わない。
これら五属性の魔法が火を吹きレーテーに襲いかかる。賢者の宝玉のおかげで魔法の数がとんでもないことになっている。
レーテーはこれらの魔法をすべてブラッドレイで撃ち落とす。数百ものブラッドレイが僕の魔法と衝突し、打ち消す。
「随分と面白いおもちゃを手に入れたのですね」
「良いでしょ?これから僕はちょこっと改造して、数も増やす予定なんだ」
「それは。それは。楽しみでございますね」
とんでもない数の魔法とブラッドレイがぶつかり合う中、僕とレーテーは雑談を続ける。
そんな中、僕はユニークスキル【欺虚者】を使い、その場にデコイを残して僕本体は気配を消す。
真っ正面から戦って僕が勝つ可能性は限りなく低い。ならば不意打ちするだけのこと。
「速度を上げますよ」
レーテーが一言。
その一言ともにレーテーが放つブラッドレイの数が急増する。
ブラッドレイが僕の魔法を一瞬で打ち破り、進む。
「ぐはっ」
そして、ブラッドレイは僕のお腹を貫いた。
お腹からたくさんの血が溢れ出す。
溢れ出た血は、真紅の霧となって辺りに立ち込める。
真紅の霧はステージをすべてを呑み込む。
「ブラッドレーザー」
放たれる。
血の一撃が。鮮血の砲が。真紅の霧より。
レーテーに向かって打たれる。逃げ場はない。
ブラッドレイよりも遥かに威力を持つブラッドレーザーが不可避の攻撃が。
それは確実にレーテに当たった。
しかし、何のダメージも与えることが出来なかった。
「一度死んでください。ブラッドホロウ」
レーテーが天へと手をかざし、血の雨が振る。
それに当たったものはすべて虚無へと帰る。
「死ぬのはお前だよ」
『国立能力女子学校の最強生徒会長様が女装中の男の子な件について』https://kakuyomu.jp/works/16816927860303405613/episodes/16816927860313958022
『死に戻り系転移者である僕が騎士団を辞めて旅にでたら、ヤンデレ騎士団長がついてきた件について』
https://kakuyomu.jp/works/16816927860303860434/episodes/16816927860309409986
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