第24話
「ふふん!」
火の聖女は楽しそうに笑う。
僕に七名の視線が注がれる。
火の聖女の膝の上に座る僕に。
僕の頭の上に火の聖女の重たいおっぱいがのしかかる。
「え、えっと……誰だい?その子は?」
金髪碧眼で高身長のいけ好かないイケメンくん、勇者が顔をピクピクと引き攣らせながら火の聖女に疑問を投げかける。
「……学園に侵入してくるとか良くないと思うのだけども?」
「君には言われたくないよ!」
僕のことを見て呟いた青髪のロリっ子、雷の聖女リリネに僕も言葉を返す。
「僕はれっきとした同級生!12歳だ!14歳の癖して小さいあなたには言われたくないよ!」
「な、な、な……何を!私に喧嘩を売っているの!?雷の聖女たる私に!」
バチバチという音が走り、雷の聖女の周りに雷が目に目に見えるようになる。
それに対抗するように僕も雷を纏う。
パチパチと走る僕の雷は火の聖女を静かに傷つける。
……あの……雷がおたくの表面で暴れているんだよ?出血もしているよね?なんでそんなに何事もないかのような澄ましたような表情を見せれるの?
「へぇー。この私に雷魔法で対抗しようというの?」
僕は雷の聖女の挑発的な視線に対して僕も敵意をみなぎらせた視線を作り返す。
一触触発の空気が流れる。
「だーめ」
そんな中、火の聖女の一切緊張感のない言葉が響く。
「全く。こんな下らないことで喧嘩しちゃだめ!」
「「下らないだと!?」」
僕と雷の聖女の言葉が重なる。
「この子はこんなにも可愛いのだから。もうそれだけでいいじゃない」
火の聖女は体を揺らし、おっぱいで僕の頭を撫でる。
……おっぱいで他人の頭を撫でるって何?
「良くないわよ!」
「いいわ。ね?」
火の聖女はゾッとするような声を出す。別に声を荒らげたわけでも、ドスの利いた声というわけでもない。
ただ、他者をゾッとさせるような声だ。
……教会の犬どもを彷彿とさせるぞ……。
こくこく。
雷の聖女は無言で首を縦に振る。
まぁ逆らわない方が良いだろう。
「そ、それでマリアはいつまでその子を膝の上に乗せているんだい?」
「一生」
火の聖女は一切の迷いなく即答する。
……え?一生僕を膝の上に乗せているつもりなの?
「は……?」
そんな火の聖女の答えに勇者は頬を引きつらせる。
感じる。
勇者の僕に対する嫉妬を。
感じる。
勇者の火の聖女に対する愛情を。
なるほど。
どうやら勇者はすでに火の聖女のことを愛しているようだ。
ゲームだとそんな設定なかったはずだが……。
まぁそれも別におかしなことではないだろう。。
この世界ゲームであって、ゲームではないのだから。
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