第15話
「ほい」
「ふんっ」
僕は剣を振る。
しかし、それは容易く盾に受け止められる。
「ぐっ、重い攻撃だ」
「それはどうも。雷精よ、我に力を。世界を駆ける力を『タブルアクセル』」
アクセルの上位互換。
第四位階雷魔法を使って自分の速度を更に上げた。
今は準決勝。
僕は順調に勝ち上がってきていた。
今戦っている相手は鎧を身に着け、大きな盾を持った防御ガチガチの大男、ヴァータ。
僕の火力が低すぎることもあって、全然相手の防御を抜けないでいた。
「ほいほいほいほいほい!」
僕は圧倒的な速度を持ってヴァータに攻撃を加えていくが、全て受け止められる。
……最早盾で受け止めていないじゃん。鎧で受け止めているじゃん。
というか鎧着ているのずるくない?
「ふぅー」
僕は一旦相手から距離を取る。
このままやってても埒が明かない。
千日手だ。僕も相手に対して有効な攻撃手段はないし、向こうのとろい盾攻撃は僕には当たらない。
「精霊よ、我に力を。すべてを封ずる結界を『四方結界』」
僕は近接戦闘から魔法を主体とした戦術に切り替える。
「雷精よ、我に力を。『落雷』」
第三位階に分類される雷魔法を発動させる。
落雷がヴァータに直撃するも、ヴァータは倒れない。流石の硬さだ。
しかし、僕の狙いは雷で相手を倒すことではない。
雷とは周りの空気の温度を一瞬にして約3万℃にまで熱し、圧力を高めて一気に膨張する。
流石に魔法で使った場合、周りの空気の温度を3万℃にまで熱することは出来ないが、1000℃くらいにまでは熱することが出来る。
この世界の住人は熱に対して耐性を持っていたり、魔法で対策をしていたりすることもあって、1000℃程度じゃさほど影響はない。
しかし、狭い空間内に何発も雷を落とせば空間内の温度はドンドン上がっていく。
鎧もドンドン熱くなってくるだろう。
ふふふ。
いつまで耐えられるかな?
蒸し焼きだぁー!
「っ!」
ヴァータも僕の狙いに気づいたのか慌てて結界に攻撃を加えていくが、 ヴァータの低い攻撃力では破れない。
「……俺の負けだ」
「おっけー」
僕は魔法を解除する。
それと同時にもわっとした熱気が伝わってくる。
熱変動無効オンにしよ。
「流石だな。あれだけの剣術を持っておきながらここまでの魔法を使えるとは」
「そっちこそ良い耐久だったよ」
僕とヴァータは握手を交わし、舞台から離れた。
「流石です!決勝進出ですね!頑張ってくださいね!」
パルちゃんが僕の方に近づいてくる。
「ありがと。うん。頑張るよ」
12月14日にトム・ブラウンみちおさんの異世界ファンタジー小説『異世界巨大生物VS元アスリート』の第1話が公開されましたね。皆さんはすでに読みましたか?
想像以上に王道のファンタジーで驚きました。
トム・ブラウンみちおさんの作品を見ていたら、短編作ってみたくなったので、作ってみました。ぜひ読んでくれると嬉しいです。
『ヤンデレ天才ワキガ剛毛巨乳黒髪ショート美少女である妹の部屋から激臭巨大ディ◯ドが出てきたんだけどwww』
やっぱ下ネタ書きやすいわぁ。体臭と剛毛はセットだよね!
目指せ!トム・ブラウンみちおさん超え!www
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