第13話

 この学園では午前3コマが座学、午後3コマが実技と決められている。

 ちなみにだけど、この世界には当然のように時間という概念が存在している。

 現在の日本と同じ60秒、60分、24時間と言った感じに。ちなみに、ちゃんと現代のような壁掛け時計が壁にかけられている。

 中世の世界でなんでそんなものがあるのかと首を傾げざるを得ないが、まぁ所詮はゲームの世界ということだろう。

 

 この世界中世の癖して男女差別の傾向も弱いからな。普通に女性が貴族の当主やってたり、国王してたりするし、女性が働き、男性が家事をするという平民の家もよく見る。当然男性が働き、女性が家事をするという家も。

 男性だから、女性だからと言って差別されることはこの世界においてない。中世の世界が、現代よりも男女平等が進んでいるとかおかしすぎる。

 ちなみにだが、ジェンダーレス、男女の区別がない世界と言うわけではない。

 お父さん、お母さん、看護師、看護婦、保父、保母。

 制服も男女で違うし、力仕事は男の人が多く勤め、裁縫などの細かな作業は女の人が多く勤めている。

 普通に女性が性的搾取されているような施設とか、物とか売っているしね。逆もまたしかり。


「えー、魔法とは、術者の持っている個人の魔力【オド】で自然界に存在している魔力【マナ】に干渉することで発動されます」

 

 僕はぼーっと座学の授業である『魔法基礎』の授業を聞き流す。

 そんな事とっくのとうに知っているし……。普通に暇である。

 ちなみに今魔法基礎の授業をやってくれているのは50代くらいのビール腹の女性である。


「【オド】で【マナ】に干渉するというのはとても難しいです。そのため、【オド】で【マナ】に干渉するための補助として『詠唱』というものが存在します。言葉という概念の力を借りて、魔法の使用を容易にしているのです。言葉という概念を借りずに魔法を使用するのが『無詠唱』と呼ばれる技術なのです」

 

 僕は基本的に『無詠唱』で魔法を使う。

 というか、詠唱を記憶していないので、詠唱を使って魔法を使うことが出来ない。

 詠唱を使って魔法を唱える場合、完璧に詠唱を言わないと発動しないのだ。言葉という概念を借りるだけなら別にどんな言葉でも良いだろって思うのだが、だめなのだ。

 やっぱりここは決められたゲームの世界なのだろう。


「魔法には強さによって位階というものが定められていて、下から第一位位階、第二位位階、第三位位階、第四位位階、第五位階、第六位階、第七位階、超位級、原始級、神威級と言った感じです」

 

 僕は早く終わることを願いながら窓を眺めた。

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