第12話
それから。
ガンジスだったりとキモいやつに絡まれたりはしたけど、概ね平凡な僕の学園生活が始まった。
このバカ広い学園内の施設の使い方や寮での過ごし方など幅広く教えられた。
「パルちゃん。一緒にやろ?」
「あっ!はい!よろしくおねがいしますね!良かったです……一人にならなくてすんで」
「あはははは」
そして、友達もそこそこできた。
今世ではまぁアンデッドということもあり、なかなか人に関わってこなかったが、僕には前世の記憶というアドバンテージがある。
前世の経験を頼り、友達を作っていった。
まぁ僕の前世の人生の大半は────────────────あれ?
どんなのだっけ?もうごちゃごちゃでよくわかんなくなっているわ。
……まぁ、いいや。
「私こういう採取系の好きで、得意なんです!頑張ります!」
「うん、頑張ろ」
僕はふんすっとやる気をみなぎらせる女の子の頭を撫でてあげる。
「ふへぇ」
女の子は僕に頭を撫でられて嬉しそうに破顔する。
可愛い。
この子はパルシア。通称パルちゃん。無属性魔法の一つである収納魔法を得意とする小柄な黒髪ショートカットの女の子。僕と同じゴールドクラスの女の子だ。
どれくらい小柄かと言うと、10歳くらいの身長しかない僕よりも少しだけ低いくらいだ。
僕とパルちゃんだけ身長が異常なまでに低いので、周りから浮いている。
ちなみに無属性魔法とは魔法属性である火、水、風、雷、土、光、闇の7属性とは違う属性を持たない魔法。無属性魔法は何の属性も持たないので、どんな生命体でも使える魔法なのだ。
今、僕達のクラスが行っているのは薬学の授業。
薬学の授業として僕達は学園内にある森林に入り、薬草の採取に来ていた。
……農学系の学校というわけでもないのに、学園内部に森林があるとかこの学校やっぱりおかしいよなぁ。
規格外だよ。規格外。
ゲームしているときはそんなもんかぁ、と思って流していたけど実際にこの学園に通うようになってみればその異常性もよくわかる。
「ちゃんと役に立てるようにがんばりますね!摂った薬草は全部私が収納しますから!」
「うん。一緒に頑張ろうか」
僕はパルちゃんと一緒に薬草を求めて学園内にあるとは思えないほどの巨大な森林を歩き回った。
おぉ。色々な植物が生えていて面白いな。
……というか、学園入って最初の授業が薬学で薬草を集める授業なんだ?
今日やったクラス仲良くするためのレクリエーションの後の最後の残り僅かな時間での一コマがなんで薬学?もうちょっと別の授業するとか、レクリエーションで一日を使い切るとか出来なかったのか?
なんでここで地味な薬学?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます