第21話 大爆破作戦

「この魔力…………すべてあの小娘のものか!?そんなバカな、どれほどの魔力量が必要だと思ってる!?」

「へへ、うちの琴葉さんは魔力の量だけが取り柄だからねー!なめてもらっちゃ困るよ!」

「…………。まさか……。こいつらは……」

「そ、空音さん!琴葉さんに報告を!」

「あっ、そうだったそうだった!……すぅー、琴葉ー!!思った通りだったよーー!!」


 ……よし。いける。

 空音には、ただ敵を撹乱するためだけに町中を走り回ってもらった訳では無い。ある事を確認して欲しかったのだ。

「一体何を企んでいるんだ……?くっ、気持ち悪い!思うように体が……!!」

 どうやら私の魔力が邪魔して上手く体を動かせない様子。これも作戦の内だ。1つの賭けではあったが。


「よし、それじゃあ……ゴロ!」

私は空に向かって雷魔法を放つ。

「開始の合図です……!空音さん!」

「おっしゃー!爆走!独走!激走!速攻!!」

空音が町の反対側に向かって走り出す。


「くっ……!!これ以上お前達の作戦に乗ってたまるか!!」

「空音さん、気をつけてください!アクアスが追ってます!」

「大丈夫……!好都合だよ。作戦通りだから、私達は避難を!」

「はい!空音さんを信じます!」


 私は作戦を伝える間、左足を撃たれた。……痛い。重い足を引きずりながら歩くが、そのスピードは絶望的に遅い。果たして間に合うかどうか……。




 ———その頃空音は。

「とうちゃーく!さてさて、早速始め……」

「何をするつもりだ!どうやっても俺を殺すことは不可能なのは分かるだろう!」

「……ん?あれ、こっちに来てたの。まあいいや。今のあなたじゃ私を止めることは出来ないしね」

「ん……それは…………毒のポーションか?毒で俺を殺すつもりなら、残念ながら……」

「ブッブー、はずれー!これは、爆発するポーションだよ!魔力に反応してね!」

「なっ……!?まさか、町中の水道管をあの小娘の魔力で満たしたのは……」

「そゆことー!それじゃ、レッツゴー!」

 空音が走り出し、アクアスが慌てて追いかける。だが、やはり追いつく事は出来ない。

「わははは!それじゃ、一発目投下ー!」


       ドオオオン!!


「ぐああっ!ま、待て……!俺が悪かっ……」

「もっともっとー!二発目、三発目ー!」


    ドオオオン!ドオオオン!!


「うぐおおおっ!!」

ポーションによる爆発は、アクアスと一体化した水を一滴残らず消滅させる。


「さ、さっき走り回ったのは……!町中の水道管が破裂し、地面に穴が空いているのを確かめるためか……!!」

「ピンポンピンポーン!!あなた、なかなか勘が鋭いね!でも……ほいっ!」


       ドオオオン!


「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

「なめるなああああ!!!」





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