第20話 逆転の一手
私は、空音の言葉でとある会話を思い出した。
———今から遡ること2日前。ルーラさんのもとで特訓をしていた時だ。
「そういえば、攻撃魔法は全部で6種類あるって言いましたよね?」
「ん~?うん、そうだけど……それがどうかしたの~?」
「さっきルーラさんが放った、大きな……光線?は…………あれは攻撃魔法とは違うんですか?」
「…………ごめんね、あれは私の魔力を放出しただけで、魔法ではないの。ちょっとかっこつけちゃって……紛らわしかったわね」
「そ、それって私にも出来ますか!?」
「う~んと……。今は難しいかな~?もっと訓練を積んで、魔力を完璧にコントロール出来るようになったら……かな?」
「そうですか……」
「まあ、魔力を放出するだけならあなたにも出来ると思うけど…………とてもじゃないけど実戦で使えるようなものじゃないかな?」
「……分かりました。特訓を続けましょう」
「うん、頑張ろうね~♪」
———あのあと、一応やってみたけど...蛇口から水が出る時くらいの勢いで、ルーラさんのものとは程遠かった。
本来なら、役に立つことのないもの。
しかし、この状況なら……!!
作戦はこうだ。
「おっ、鬼さんこちらー!手の鳴る方へー!」
まず、オビエが民家を飛び出し、注意を引きつける。
「何だ?おとりか?……くだらん。今は無視すべきだな」
「な、なんだー!⤴︎逃げるのかー!こんなか弱いチビに恐れをなしたのかー!」
「お前の相手は後だ!溺れて苦しみながら死なせてやる!」
「ひっ、ひえええ!恐ろしいこと言われちゃいましたあ!」
「ふっかーつ!もう当たらんぞー!!」
その隙に空音が回復ポーションで右足を治す。
「ちっ、面倒なのが回復したか。……まあいい、俺が敗北することはないんだ。落ち着いて…………」
「落ち着かせるかー!マッハダーシュ!!」
空音が町中を高速で走り回り、撹乱する。
「なんだお前!ふ、踏むな!クソ……!!どこにいるか分からん!」
そしてその間、私は…………
「もういい、町中の水を吹き出して……ん?何だ、この感覚は?水の中に混ざっているのは…………魔力、か……?何故……?」
水道管の中に…………
「はっ!あの女は!?何をしてる!?」
魔力を流す。
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