第18話 奥の手
「くっ……。思ったより早い……!」
「ううう……。怒ってばっかですねあの人……私たちのせいですけど」
「大丈夫大丈夫!そんなすぐには見つからないって!」
空音がフラグみたいな事を言い出すが、実際その通りだ。私たちは町の端っこまで逃げてきた。見つけるまでには時間がかかるはずだ。
「もう我慢できん……!あの手を使う!!」
窓から、アクアスが塔のはるか空に飛び上がるのが見える。
「波打際・波紋!」
そして、町の中央に向かって特大の流水を放った。
「一体何を……?」
「さあ……。まだ近くにいると思ってるのかな?」
そしてその流水は、地面に当たった瞬間全方位に広がると…………
町にあった建物をほとんど崩壊させた。
…………!!危なかった。もう少し町の内側にいたら確実に死んでいた。その事実に私たち全員が息を呑む。
「くっくっく……。今ので死んでしまっては興ざめだが…………本当に楽しいのはこれからだぞ?」
「や、やば……。あんなの、死ぬに決まってんじゃん……」
「や、やっぱり、私たちには無理ゲーだったんだよ……」
「でもまだ———ッッ!!うあああッ!」
その瞬間、何かが空音の右足を貫いた。
「空音さん!!何があったんです!?」
「アクアスが攻撃してきた……!?嘘でしょ!?どうやって、どこから!?」
見ると、床に穴が空き、その部分に少し水気があった。
「まさか———ッッ!?あああッッ!!」
「こ、琴葉さん!?左肩が……!」
「はあ、はあ……!!やっぱり……!床下から攻撃してきてる……!!」
「え!?ど、どうやって?」
「多分、さっきので破裂した水道管の水から町全体を見回して、私たちの位置を特定して地下に広がる水道管から攻撃して来たんだろうね……」
「そ、それってつまり……」
「アクアスは、この町に広がる水道管の水全てと同化した…………」
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