第16話 何だったの?
「え?……あれ?……え?」
死ぬどころか無傷のオビエを見て、アクアスは分かりやすく動揺する。
まあ実際これはおかしい。 確かに私をかばって技を受けたはず。いくら何でもノーダメなんて……。
「す、すごいよオビエ!敵さんめっちゃ動揺してんじゃん!ププーッ!口ポカーンと開けてやんの!」
驚く私とアクアスをよそに、ここぞとばかりに空音が精神攻撃を仕掛ける。
「なっ!?ぐ、偶然だ!次はお前だ!」
……はっ!なんかもう忘れてしまったが、彼の攻撃には要注意だ。
「空音、気を付けて!」
アクアスが拳を握り、その右手がゲル状へと変化していく。
「今度こそ死ね!五月雨・流れ打ち!」
アクアスが拳を突き出すと、ゲル状の右手からガトリングの様に水滴の弾丸が放たれる。
「わー!!ちょっと待って!ごめんごめん、私が悪かったって!こんなの無理ぃー!!」
水滴の弾丸は超広範囲にわたって放たれた。いくら超スピードで動ける空音でも、あれを全て避けるのは難しいはず。
「やばばばばー!!当たる!当たっちゃうって!」
「空音さん、伏せて!」
オビエが空音に覆い被さる。……そして、またしても無傷で耐えた。
その様子に、アクアスはいつの間にか戻した右手をプルプル震わせ———
「またお前かああああ!!!」
あの技には自信があったようで、無傷のオビエを見て激高した。
……なんだろう、この空気。さっきまでのピリついた雰囲気はどこに……?あの空気、なんだったの?
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