第10話 奇妙な出会い

 翌日の朝。


「———重大なことに気が付きました」

「どうしたの急に?そんなに真剣な顔して」

 ……私はとある深刻な問題に気付き、2人を外に呼び出した。


「実は魔力も平均値しか無かった、とか?」

「実はすごい魔法も使えた、とかですか?」

「いや……そんなんじゃないんだ。もっと、なんていうか……絶望的っていうか……終わってるっていうか……」

「そ、そんなに……?」

「一体何でしょう……?」

「私……私……魔法の使い方わかんないや」

「……え?」

「……ええ??」

「「えええーー!!??」」

「そ、そんな!?そういうのって勝手に使えるようになるもんじゃないの、オビエ!?」

「い、いえ……。ぼくは魔法は使わないので、その辺は……」

「そう思っていた時期が私にもありました……。そして、昨日絶望しました……」

「ええー……」

「それじゃあクエストに行けないじゃないですか……」


 と、私たちが絶望していたその時。

「ん~?あらあら~、こんな所に...!」

 とても美しく、見るからに強そうな...いわゆる強キャラ風の女性に話しかけられた。


「えっ……?どなたですか?オビエ、知り合い?」

「い、いえ……違うと……思います……?」

「……。そっか。ううん、何でもないわ。ただ可愛い娘たちが何だか困った様子だったから声をかけただけ。どうかしたの?」

 この女性は一体何者なんだろう…………いや、この際そんなことはどうでもいい。これはチャンスだ。

「あ、あの……。私、魔法が使えなくて……もしよろしければ、使い方を教えて頂けませんか?」

「……ふふ、なあんだ、そんなこと?いいわよ~♪」

「あ、ありがとうございます!」

「うん、それじゃ特訓しましょうか~♪」

「は、はい。よろしくお願いします!」

「それじゃ、しっかりつかまっててね~?よいしょ~!」

「え?わああっ!?」


 私は、お姉さんと共にその場から姿を消した。

「消えちゃいました……。転送の魔法……でしょうか?」

「す、すっごー!ねえねえ、琴葉もあんな魔法教えて貰ったり出来るのかな!?」

「さ、さあ……どうでしょう……」

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