第9話 準備と装備と私のイメージ
私たちは、アクアスの討伐クエストに向けて準備を始めていた。 体力回復、毒、爆薬などの各種ポーション、魔力回復のための魔石を用意し、アイテムは万全だ。お金はギルドが立て替えてくれる。
「さて、次は何がいるかな?」
「やっぱり装備じゃ無いですか?2人ともその格好だと防御力が低いですし、何より目立ってしまいます……」
「確かに……」
……そう、私たちはこの世界に来てからずっと学校の制服のままなのだ。
「まあ私の防御力は装備でどうこうできるレベルの低さじゃ無いけどね!」
「空音はもっと危機感を覚えなさいよ。下手したら死んじゃうかもよ?」
「避けりゃいいんでしょ?ホッ!ホッ!」
空音が情けない反復横跳びをして見せる。
「全然すばやさ感じられないけど……」
「ま、まあステータスは戦闘の時にしか反映されませんからね……」
「それおかしいよねー!琴葉に高速ビンタぶちかましたかったのに~……」
「そしたらこっちも魔法で応戦してやるからね?こっち測定不能の魔力持ってんだから」
「そう言えば、何で琴葉さんはそんな力持ってるんですか?元賢者だったとか?」
「う~ん...それが私にも分かんないんだよね。転移特典?」
「……?転移?どこからですか?」
あっ……やっべ。
「琴葉はあたおかな所あるからね~あんまし気にしない方がいいよ! 」
「あっ……触れないでおきます……」
え、何で私がやべーやつみたいになってんの?フォローしてくれたのは有難いけど、私のイメージが……。
「あっ装備屋さんありました!あそこで買いましょう!」
「う、うん……そうね……」
こうして私は若干傷つきながらも、魔法使い風のローブを手に入れた。
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